書誌情報
著者・訳者:中谷一泰/湯浅龍彦/田辺 功 編著
版型・ページ数:A5判・並製・96ページ
発行年:2024年11月20日
ためしよみ
内容
認知症やパーキンソン病の治療薬につながる夢の物質「シヌクレイン」とは?
「シヌクレイン」という言葉を聞いたことがありますか?
動物や人間の脳から比較的新しく見つかったタンパク質の名前です。
医療や病気に特別に詳しい人は別として、一般にはあまり知られていないかもしれません。
シヌクレインは構造が少しずつ違う、アルファ、ベータ、ガンマの3種類が見つかっています。
そのうち最も早く1990年に分離されたのはアルファではなくベータ・シヌクレイン、
すなわちPNP-14でした。
それに成功したのが日本人の研究者、中谷一泰昭和大学名誉教授のチームです。
いまやベータ・シヌクレインは認知症やパーキンソン病の治療薬につながる可能性を持った
夢のタンパク質として注目されています。
中谷一泰昭和大学名誉教授の卓越した研究に、医療ジャーナリスト、研究者の視点から
スポットライトを当て紹介します。
目次
はじめに/序論
【第1部 日本人発見の不思議タンパク 中谷のPNP-14物語】
第1章 脳にしかないタンパク質があった
第2章 シヌクレイン脚光を浴びる
第3章 パーキンソン病は全身病だった
第4章 いろいろあります認知症----
第5章 アルツ、パーキンみな兄弟
第6章 パーキンソン病の標準治療法は
第7章 アルツハイマー病は予防が大事
第8章 パーキンソン病の未来は
【第2部 シヌクレインの現在と未来 PNP-14(β-シヌクレイン)の旅は続く】
第1章 α-シヌクレインを取りまく病態
第2章 パーキンソン病の治療の現状
第3章 パーキンソン病の新時代とα-シヌクレイン
第4章 β-シヌクレインの役割
【参考論文】終わりに/結びの言葉として/目を離せませんね、パーキンソン病
編著者
中谷一泰(なかや・かずやす)
分子生物学研究者。理学博士。現在、昭和大学名誉教授、新潟薬科大学名誉教授。シカゴ大学、ロックフェラー大学ほかでもがんや神経の研究を約40年間行い、タンパク質ベータ・シヌクレイン(PNP-14)を発見。著書監訳書に、『ストップ!認知症』、『カラー生化学』(ともに西村書店)などがある。
湯浅龍彦(ゆあさ・たつひこ)
1970年信州大学医学部卒業、現在は鎌ケ谷総合病院 千葉神経難病医療センター・脳神経内科 センター長。監訳に『髄膜炎の100章』(西村書店)などがある。
田辺 功(たなべ・いさお)
1944年生まれ。医療ジャーナリスト、コンサルタント。1968年朝日新聞社入社。1990〜2008年東京本社編集委員(医療・医学担当)。著書に「お医者さんも知らない治療法教えます」3部作(いずれも西村書店)など。