1971年、紙の宝物を抱えてぼくはドイツに降り立った――。
エンデと並び称されるドイツの児童文学者が亡命の50年と作家人生を語る、渾身のエッセイ。
ミヒャエル・エンデと並び称され、ドイツを代表するベストセラー作家として活躍するラフィク・シャミは、20代でシリアから亡命し、50年間をドイツで生きてきた。
亡命前後の揺れ動く心情、ドイツ語の作家・語り部になるまでの紆余曲折、変わらぬ信念と創作の舞台裏を、初めて率直に明かす。
シャミの人生が活写された渾身のエッセイ。
主なメディア紹介
●2022/3/26付 朝日新聞「天声人語」で紹介されました。
2022/3/26 朝日新聞デジタル(天声人語)
〈英語版〉2022/3/26 朝日新聞デジタル(天声人語)
●週刊読書人2022年5月6日号書評掲載(評者:早稲田大学理工学術院教授・ドイツ文学/西口拓子)
読書人WEB(書評全文掲載)
著
ラフィク・シャミ(Rafik Schami)
1946年シリアのダマスカス生まれ。
亡命後1971年よりドイツ在住。
1982年以降、作家として活動し、世界150万部のベストセラー『夜の語り部』や『空飛ぶ木』『言葉の色彩と魔法』(以上、西村書店)などを発表。
ドイツ語圏におけるもっとも成功した作家のひとりであり、作品は30以上の言語に翻訳されている。
1987年、『片手いっぱいの星』(岩波書店)でチューリヒ児童文学賞、1993年、ドイツ語を母語としないドイツ語作家に贈られるシャミッソー賞、2010年、『愛の裏側は闇』(東京創元社)でIPPY(独立出版社書籍賞)ゴールドメダル賞、2011年、忘却に抗し民主主義を支援する文学に対して贈られるゲオルク・グラーザー賞など、受賞多数。
訳
松永美穂(まつなが みほ)
1958年愛知県生まれ。
早稲田大学文学学術院教授。
専門はドイツ語圏の現代文学・翻訳論・ジェンダー論。著書に『誤解でございます』(清流出版)、訳書に『朗読者』(新潮社)[毎日出版文化賞特別賞]、『夜の語り部』『ナミコとささやき声』『言葉の色彩と魔法』、絵本の訳書に『ヨハンナの電車のたび』 [日本絵本賞翻訳絵本賞](いずれも西村書店)がある。