書誌情報
著者・訳者:アルンフリート・エードラー 著 山崎太郎 訳
版型・ページ数:A5判・上製・592ページ
発行年:2020年07月03日
内容
シューマン生誕210年
欧州屈指の音楽学者がその人物像を時代背景等から読み解き、
作品を分析する「大作曲家とその時代」シリーズ、待望の第5弾!
”著述”と”作曲”両面から音楽にアプローチした「音の詩人」シューマン。
20世紀にまで影響をおよぼしたその仕事の長大な射程の所以を解き明かす。
ロベルト・シューマン(1810-1856)の作曲家としての発展と、
彼が生きた時代の文化的、政治的、社会的な出来事との関係に光を当てる。
「音の詩人」と評されたシューマンは、
先人たちの音楽作品をあまねく研究し、同時代の芸術・思想にも深く関わろうとした。
こうした彼の関心は、
音楽批評家としての旺盛な活動と、自身の創作行為の両方に分かちがたく結びついている。
本書は、シューマンという作曲家の多面性を単に知識として伝えるだけではなく、
理論(著述)と実践(作曲)の両面から音楽にアプローチしたシューマンの仕事が、
20世紀にまで大きな影響を及ぼす長大な射程を有していた所以を解き明かすものである。
目次
図譜・年譜
第1章 音楽批評と芸術家の意識
第2章 シューマンの器楽作品―構想と変容
第3章 情緒あふれる詩と民族の歌
第4章 音楽劇とオラトリオのあいだで
第5章 音の詩人の芸術と人生
第6章 シューマン受容を考える
原注・作品目録・文献・索引
●主なメディア紹介
・「週刊読書人」9/11号 評者:内藤晃(ピアニスト)
※読書人WEB 2020年よりプレイリスト「シューマンの音楽言語(例)」つきの書評をご覧いただけます
・「音楽の友」2020年10月号 評者:萩谷由喜子(音楽評論家)
・「サラサーテ」Vol.97(2020年12月号)News SARASATE Palette 紹介
〈大作曲家とその時代シリーズ〉
ヨーロッパ一流の音楽評論家陣による作曲家・作品論シリーズ。
●シリーズ監修:三宅幸夫/池上純一
ヨーロッパ一流の音楽評論家陣による作曲家・作品論シリーズ。
●既刊『ドビュッシーとその時代』(品切)、『ベルリオーズとその時代』(在庫僅少)、『ベートーヴェンとその時代』(品切)、『ブラームスとその時代』、『シューマンとその時代』
著者
アルンフリート・エードラー (Arnfried Edler)
ドイツの音楽学者。1938年リューデンシャイトに生まれ、ザールブリュッケン大学およびキール大学で音楽教育学、ドイツ文学史、哲学を学ぶ。1964年にはケルン音楽院で教会音楽指導者の資格、1968年には音楽史で博士号を取得。1978年以降、キール大学教授(音楽史)、さらに1989〜2003年はハノーファー音楽・演劇大学でも授業を担当。研究の中心は18〜19世紀の音楽史および社会文化史と鍵盤楽器音楽の歴史。論文、著書多数。ラーバー社では本書のほか、シリーズ『ジャンル別音楽史事典』の中の『鍵盤楽器のための音楽』全3巻の編集・執筆を担当している。
訳者
山崎太郎 (やまざき たろう)
1961年生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門はドイツ文学およびドイツのオペラ。特に長年、リヒャルト・ワーグナーの楽劇を主な研究対象として、テクスト解読・上演史と演出分析・書簡研究などさまざまな方向からアプローチを重ねている。主な著書に 『《ニーベルングの指環》教養講座』(アルテスパブリッシング)、訳書に『ヴァーグナー大事典』(平凡社)など。