書誌情報
著者・訳者:井上さくら著
版型・ページ数:四六判・並製・264ページ
発行年:2018年03月20日
内容
一歩を踏み出したい人のために。強くてやさしいファンタジー
人生の岐路でゆらぐ4人の女性が、不十分な自分を受け入れ、大切な人々と思いを通わせていく。
医者をやめ、念願だった物書きへの道を歩みはじめたケイ。
ある日、机の引き出しから、手のひらサイズの美少女、パンドラがあらわれる。
他人に決して見られたくない過去を綴ったノートを、ケイはパンドラとともにめくっていく。
学生時代や診察時のこと、患者とのやりとり。
そこには、自身の怠惰さや思いやりのなさ、嘘や悪口、自己弁護が溢れていた。
すべてを見終わったとき、ケイは自分の望みを自覚する。
「私は強さとやさしさをもって、ことばを届けたいのだ」と。
そのとき、「集会に行け」の文字がノートに浮かび上がる。
ケイは驚きながらもノートの地図をたよりに集会所にたどり着く。
黒い服の人々が死者を囲み、祈りながら何かを集めているのを目撃したケイは、彼らに連れられて“ことばファクトリー”へ行く。
集めたことばを磨き、整え、命を吹き込み、必要なひとへ届けている場所だった。
ケイをはじめ、姪で医者のアイや、セラピストのマイ、親友でピアニストのメイは、人生の岐路で葛藤しながらも、“ことば”を通じて、自身を受け入れ、大切な人々と思いを通わせはじめる。
著
井上さくら
静岡県・浜松市在住。小児科医。玄関の戸を開けるとマリオネットのキュートが迎える家で、夫とゴールデンレトリーバーとの三人で暮らしている。