書誌情報
著者・訳者:アンドレアス・セシェ著 松永美穂 訳
版型・ページ数:四六判・上製・256ページ
発行年:2017年10月05日
内容
『囀る魚』のアンドレアス・セシェ、第二作!
語り部ラフィク・シャミも愛する新星セシェの第二作目は、ドイツで「桜の花のように繊細な感性で書かれた」と評された、ピュアで切ない愛の物語。
ぼくの人生に、ナミコは一つの謎という形で無言の挑戦とともにはいりこんできた。
日本の庭園を取材するため、ドイツからやってきたぼくは、京都の禅寺でナミコに出会う。
二度目に会ったとき、彼女はこう言った。
「まだ、庭園の語る言葉がわからないんですか?」
ナミコに誘われるままに、ぼくは「月のため息」の庭を訪れ、トラクターで田舎を訪れ、庭に隠された物語を見つけていく。
同じときを過ごすなかで、ぼくは世界がささやき声に満ちていることをはじめて知るのだった――。
「はじめての海外文学vol.2」でも紹介され、話題を呼んだ『囀る魚』のアンドレアス・セシェ。
日本を頻繁に旅行しているセシェが、京都の庭園や禅、漢字などの日本文化に魅了されて書き上げた本書。
ドイツで「桜の花のように繊細な感性で書かれた」と評された、ピュアで切ない愛の物語!
著
アンドレアス・セシェ(Andreas Séché)
1968年、ドイツのラーティンゲン生まれ。大学で政治学、法学、メディア学を学ぶ。ジャーナリストであり、新聞社で働いた経験がある。ミュンヘンの科学雑誌の編集者を数年間つとめた後、デュッセルドルフ近郊にある故郷へ戻り、パートナーと田舎に暮らしながら小説を書いている。日本を頻繁に旅行し、東京、京都、日本文化に魅了される。作品は本書のほかに、『囀(さえず)る魚』(小社刊行)、『蝉時雨の刻(仮題)』(小社より刊行予定)がある。
訳
松永美穂(まつなが みほ)
1958年、愛知県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門はドイツ語圏の現代文学・翻訳論・ジェンダー論。著書に『誤解でございます』(清流出版)、訳書に『朗読者』(新潮社)、『三十歳』(岩波書店)、『夜の語り部』『ヨハンナの電車のたび』(以上、西村書店)などがある。