書誌情報
著者・訳者:キャロル・グラハム 著 猪口 孝 訳
版型・ページ数:四六判・並製・304ページ
発行年:2017年07月06日
内容
人の幸せを測る“ものさし”はお金だけ?
そもそも幸福とは世界共通の価値なのか。
幸福な農民と不幸な金持ちというねじれを科学的に究明する。
国が豊かになっても人びとの幸福度が変わらないのはなぜなのか?
世界最高峰のシンクタンクで長らく世界の貧困や格差を研究してきた著者が、「主観的な幸福」という概念からアプローチする、新しい尺度で世界をとらえ直した記念碑的著作!
経済学や心理学、統計学の手法を駆使して世界各地の幸せのあり方に迫る。
国民総幸福度を誇るブータンや、犯罪や貧困が蔓延するにもかかわらず、そんな状況に「慣れてしまった」ために幸せなラテンアメリカなど、各地の特色を浮き彫りにするほか、アメリカ人は肥満を社会的弱者の象徴とみなす一方、ロシア人の間では太っていることは成功を意味する、など、興味深い対比を膨大なデータの中から多数紹介。
金銭の面からだけでは説明のつかない、「人間にとっての本当の幸福とは」を探求する。
目次
序論
第1章 幸福の経済学
第2章 幸福と所得をめぐる議論
第3章 世界の幸福の決定因子
第4章 幸福は重要なのか
第5章 諸国・諸文化の幸福と健康
第6章 済成長、金融危機、不平等、その他
第7章 幸福と不幸への適応
第8章 世界の幸福
編
キャロル・グラハム(Carol Graham)
1962年リマ(ペルー)生まれ。米国ブルッキングズ研究所、グローバル経済・開発プログラム上級研究員、メリーランド大学カレッジパーク校公共政策学部教授。世界銀行、IMFなどでアドバイザー。プリンストン大で学士、ジョンズホプキンス大で修士、オクスフォードで博士。
単著に『幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か―』(日本経済新聞社、2013年)。
監訳
猪口孝(いのぐち たかし)
東京大学名誉教授。桜美林大学教授。政治学博士。