書誌情報
著者・訳者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 原作/クラウス・エンジカート 絵/酒寄進一 訳
版型・ページ数:A4判・上製・40ページ
発行年:2016年11月07日
内容
大作家ゲーテの代表作『ファウスト』。壮大な戯曲を読みやすく再話し、国際アンデルセン賞受賞画家エンジカートが描いた、古典名作絵本。
ファウスト博士と悪魔メフィスト。
賭けはどちらの勝利に?
ドイツの文豪ゲーテによる古典的名作『ファウスト』。
この壮大な戯曲の第一部は1808年に完成され、続編にあたる第二部は1832年まで書き続けられて、
ゲーテの亡きあとに出版されました。
本書は、ファウスト博士、悪魔メフィスト、美しい娘グレートヒェンをめぐる、
一連の騒動をえがいた第一部を下敷きとして、
現代の読者にも分かりやすい散文で再話したものです。
悪魔との契約によってはじまるファウスト博士の人生遍歴は、
ときに滑稽であり、謎めいてもいて、魔術的な世界をつくりだしています。
天国と地獄、善と悪の狭間で生きる人間とは、いったいどのような存在なのか。
国際アンデルセン賞受賞画家エンジカートによる美しく細密なペン画で彩られ、
初めて本作に出会う読者も、豊かなイメージがふくらむことでしょう。
(※小学校5年生以上の漢字にふりがな)
●主なメディア紹介
・毎日新聞「今週の本棚」 (イラスト紹介) 2017/01/15
原作
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)
1749年、ドイツのフランクフルト生まれ。詩人・作家・劇作家。25歳のとき「若きウェルテルの悩み」で名声を博す。ワイマール公国で政治家生活をおくる一方、詩、小説、戯曲などに数々の名作を残し、ドイツのもっとも重要な作家とされている。代表作は『ファウスト』『ウィルヘルム=マイスターの遍歴時代』など。1832年没。
再話
バルバラ・キンダーマン(Barbara Kindermann)
1955年スイスのチューリヒ生まれ。ジュネーブ、ダブリン、フィレンツェ、ゲッティンゲンの大学でドイツ文学、哲学、言語学を専攻。博士号を取得したのち、編集者として活動し、1993年グリム兄弟による伝説集の第三巻を初めて刊行した。1994年、ベルリンにキンダーマン出版を設立している。
絵
クラウス・エンジカート(Klaus Ensikat)
1937年生まれ。現代のもっとも重要な装丁家のひとりとして多くの賞を受賞している。1996年、それまでのすべての仕事に対して国際アンデルセン賞を受賞し、国際的に評価されている。1995〜2002年までハンブルク美術大学の教授を務めた。
訳
酒寄進一(さかより しんいち)
1958年茨城県生まれ。和光大学教授・ドイツ文学翻訳家。主な訳書にシーラッハ『犯罪』『罪悪』『コリーニ事件』『禁忌』『カールの降誕祭』『テロ』、ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』、クッチャー『濡れた魚』、グルーバー『月の夜は暗く』、ギルバース『ゲルマニア』、マイヤー『魔人の地』、イーザウ『盗まれた記憶の博物館』、セシェ『囀(さえず)る魚』(小社刊)など。