書誌情報
著者・訳者:中嶋 嶺雄 著
版型・ページ数:四六・248ページ
内容
国境が日に日に低くなり、ボーダーレス化が進むなか、国際的な競争力をもつために日本に決定的に欠けているものは何か。著者は、その一因を高等教育のお粗末にあるとみる。
いまや国際共通語となった英語での高いコミュニケーション能力をもった人材の育成が急務であり、そのためには大学・大学院教育の抜本的な見直しが最重要課題である。未来の担い手を育てることなしにこのまま「知の鎖国」状態を続ければ、日本は国際社会からはじき出され、国の弱体化を招きかねない。そのような強烈な焦燥感と危惧から、日本の建て直しとアンデンティティ再獲得の具体的な方策を模索する。
著者はユニークなカリキュラムで注目を集める国際教養大学の学長として、グローバル化時代を勝ち抜いていける人材育成に精力的に取り組んでいる。長年、高等教育に携わってきた教育者ならではの将来を見据えた提言。
著者紹介
中嶋嶺雄(なかじま みねお)
国際社会学者、国際教養大学理事長・学長、才能教育研究会会長。1936年長野県松本市生まれ。1965年東京大学大学院社会学研究科修了。東京大学社会学博士。東京外国語大学学長、国立大学協会副会長、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)国際事務総長、財団法人大学セミナー・ハウス理事長、文部科学省中央教育審議会委員(大学院部会長・外国語専門部会主査)、内閣教育再生会議有識者委員、オーストラリア国立大学、パリ政治学院、カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院の客員教授などを歴任。平成15年度「正論大賞」受賞。『現代中国論』(青木書店)、『北京烈烈』(筑摩書房:サントリー学芸賞受賞)、『国際関係論』(中公新書)、『21世紀の大学』(論創社)、『音楽は生きる力』(西村書店)など著書多数。