書誌情報
著者・訳者:末松氷海子 著
版型・ページ数:四六判・上製・284ページ
発行年:2015年4月1日
内容
「おばあちゃん、なんて大きな歯をしてるの?」
「おまえを食べるためだ。」
こう言って、この悪いオオカミは赤ずきんちゃんに飛びかかって、食べてしまいました。
『赤ずきん』のこんな結末に驚く読者も多いことだろう。
フランスの児童文学のはじまりといわれる「ペローの昔話」には、『赤ずきん』『眠れる森の美女』『シンデレラ』などの著名な物語が多く含まれるが、それらの物語の結末は日本では意外と知られていない。そしてその最大の特徴は、各物語の末尾につけられた現代にも通用する風刺のきいた「教訓」である。
本書では、恋に悩む女性はもちろんのこと、あらゆる読者の人生のアドバイスとなる「教訓」についても解説するほか、グリム童話との比較や、ペローに影響を与えた数多くの類話を紹介しながら、時代を経て、現代の作家にどのように影響しているのかを考察する。
著者
末松氷海子(すえまつ ひみこ)
1937年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部新聞学科卒業後、北フランスのリール市カトリック大学新聞学部に留学し、児童出版物の研究をする。帰国後は大学等の講師を務めたほか、児童書の翻訳紹介を続けている。
主な著・訳書に、『フランス児童文学への招待』『ペロー昔話・寓話集』(以上、小社刊)『おじいちゃんの休暇』『青い鳥』『長ぐつをはいたネコ』ほか多数。