書誌情報
著者・訳者：ゲルノート・ミンケ 著
輿石直幸（早稲田大学理工学術院教授） 藤田香織（東京大学大学院工学系研究科准教授） 監訳
前島彩子 山田宮土理 朝光 拓也 訳
アトリエ・天工人 山下保博 石井あずさ ［編集協力］
版型・ページ数：B5判・上製・216ページ
発行年：2010年08月01日
内容
環境にやさしい「土」を、現代にふさわしい建築材料として見つめ直す。
長年、土建築の研究と設計を行ってきたゲルノート・ミンケ氏の成果をまとめた本。
環境にやさしく、容易に手に入る土を現代にふさわしい建築材料として改めて見つめ直し、
土の持つ様々なメリットやその利用法、建築技術を、
豊富な図版を交えて実用的かつ体系的にまとめている。
第二部にあげられた33の実例からは、土建築の実際と可能性がうかがわれる。
豊富な図版を収載。カラー54ページ。
ゲルノート・ミンケ（Gernot Minke）
建築家、環境配慮型建築のコンサルタント。ドイツ、カッセル大学教授。土建築以外にも、麦わら梱の建築、低エネルギーなパッシブ（ソーラー）を用いた住宅、屋上緑化など、多様な持続可能な建築技術を専門とする。
目次
第一部 土建築の技術
1 序論
歴史
建築材料としての土に関する知
室内環境の改善
建築材料としての土に対する偏見
2 建築材料としての土の性質
組成
ロームの成分を分析するための試験
水の効果
水蒸気の影響
熱の影響
強度
pHの値
放射能
高周波の電磁放射の遮断
3 ロームの調整
浸漬、粉砕、ミキシング
ふるいがけ
機械による懸濁液状ロームの作製
寝かし
粗粒分の混合
4 特殊な処理や添加物による土の特性の向上
収縮ひび割れの軽減
水の浸食に対する安定性
結合力の向上
圧縮強度の向上
磨耗に対する抵抗性
断熱性能の向上
5 版築構法
型枠
道具
施工方法
開口部の成形
新しい壁施工技術
版築ドーム
乾燥
労働量
断熱
表面処理
6 土ブロック工法
歴史
土ブロックの生産
材料構成
土ブロックの積層
表面処理
壁への留め具の固定
軽量ロームブロック
吸収性に優れた未焼成レンガ
7 大型ブロックとプレファブパネル
大型ブロック
プレファブ壁パネル
床スラブ
床タイル
押出しロームスラブ
8 湿ったロームの成形
湿ったロームを用いた伝統構法
Dunne loam loaf構法
Stranglehm構法
9 骨組の隙間を埋める湿ったロームのインフィル
投付けローム
吹付けローム
筒状・ボトル状のワラ入りローム
軽量ロームのインフィル壁
Stranglehmと土を詰めた管のインフィル壁
10 軽量ロームの突固め、流込み、ポンプ圧送
型枠
突固めによるワラ入り軽量ロームの壁
突固めによる木材入り軽量ロームの壁
突固め、流込み、ポンプ圧送による鉱物入り軽量ロームの壁
ポンプ圧送による鉱物入り軽量ロームの床
ロームを充填した空洞ブロック
ロームを充填した管
11 ロームプラスター
下地処理
ロームプラスターの成分
土壁の仕上げ塗りに関する指針
吹付けプラスター
鉱物入り軽量ロームプラスター
投付けプラスター
ストローベイルハウスに用いるプラスター
湿潤成形のプラスター
コーナー部の保護
12 風雨に対するローム表面の保護
表面の強化
塗料
撥水性を有する表面の作り方
石灰プラスター
こけら板、厚板、その他の覆い
構造的方法
13 ローム部材の修復
ローム部材における損傷の発生
ローム補修材によるひび割れや割れ目の修復
他の補修材を用いたひび割れや割れ目の修復
広範囲の損傷の修復
軽量ロームによる断熱性の改修
14 建築構成材の設計
接合部
各種壁の設計
中間階の床
版築床
軽量ロームを充填した勾配屋根
土で覆われた屋根
土ブロックのヴォールトとドーム
ウィンターガーデンの土の蓄熱壁
浴室のローム
ローム製の作り付け家具と衛生器具
床暖房システム
パッシブソーラー壁暖房システム
15 耐震構造
構造上の対策
ドアや窓の開口
竹補強版築壁
ドーム
ヴォールト
ローム充填織物壁
第二部 土建築の事例
［住居］
2つのセミ・ディタッチト住宅、カッセル（Kassel）、ドイツ
住居兼事務所、カッセル（Kassel）、ドイツ
住宅、フェニックス（Phoenix）、アリゾナ州、アメリカ
他 全17例
［文化・教育・宗教施設］
Solvigの学校、ヤーナ（Jarna）、スウェーデン
幼稚園、Sorsum、ドイツ
学校、Rudrapur、バングラデシュ
Druk White Lotus学校の幼稚園と育児室、ラダック（Ladakh）
他 全16例
